169【大いなる後悔(1)】
169【大いなる後悔(1)】
こんにちは、教師の転職コンサルタント藤井秀一です。
私は休職・復職・転職・起業のすべてを体験している、珍しい元教師です。
いや、正確に言うと、自分では珍しいと思っている元教師です。
なぜそんな言い方をするのか気になりますか?
その理由は、いつも卒業生やその保護者から、こう言われるからです。
「やっぱり! 藤井先生はいつか独立すると思っていました!」
普通は教師が独立起業などと聞くと、たいてい驚くものなのですが・・・・。
私に対しては、意外にも多くの人が独立するだろうととらえていたようです。
ガンで倒れた妻の介護で半年間休職する時も、何人かからこう聞かれました。
「藤井先生、学校を退職なさるんですか?」
今から8年前のお話です。
年明けに妻が死去した時には、「辞めないでください」と陳情までされました。
別にその時は、辞めようとは思っていなかったのですが(?)
しかし今、当時の関係者から言われるのは決まって同じ話です。
「やっぱり藤井先生には、一つの学校では狭すぎたんですね」と。
たしかに将来は起業して、日本の教育全体に関わりたいと考えていました。
妻の死から3年後、自分の学年の卒業が近づいた時、私は悩みました。
中学1年生で教師をめざし、ちょうど10年かけてその夢を達成した自分です。
教育への情熱も、生徒たちへの愛情も、少しも曇ってはいませんでした。
しかし、一つの学校の中にいる窮屈感だけは抑えがたく感じていました。
「日本の教育を何とかしたい、しなければ日本の危機が深まるばかりだ」
教育界に不幸なことばかりが続いている現実に、危機感を持っていたのです。
今から4年前、いたたまれなくなった私は3日間の有給休暇を取りました。
横浜の港町を一望できるホテルの最上階にこもり、無心に考え続けたのです。
しかし結局、退職すべきか残るべきか、明確な答えは出せませんでした。
そんな私にも、日本の教育全体に関わる大きなチャンスがありました。
妻の死の直後、私を誘ってくれた研修会社の社長さんがいたのです。
しかし私は退職を決意できず、引き抜きをお断りしてしまいました。
「息子が入学したら、藤井先生が学年主任をしてくださるんですね!」
複数の受験生の保護者からそう言われ、私は退職を選択できなかったのです。
この判断がのちに大きな後悔につながるとは、私には想像もつきませんでした。
(つづきはまた明日・・・・)
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