170【大いなる後悔(2)】
170【大いなる後悔(2)】
こんにちは、教師の転職コンサルタント藤井秀一です。
本日は、昨日の記事の続きをお届けいたします。
妻の死の直後、せっかく頂戴した引き抜きのお話を、私は断ってしまいました。
このことは後に、取り返しのつかない大きな後悔へと変わります。
私に退職を思いとどまらせたのは、入学予定の生徒の保護者からの声でした。
ちょうど次の年度に、私が1年生を受け持つタイミングだったのです。
学年主任として新入生の学年を受け持つ予定となっていました。
「息子が入学したら、藤井先生が学年主任をしてくださるんですね!」
何人もの保護者からの期待のお言葉に、私は自分の欲求を退けました。
せっかくお誘いくださった研修会社の社長さんに、お断りを申し出ました。
何度か翻意を促されましたが、私は退職を決意する勇気がありませんでした。
募集で関わってきた新入生や保護者、また卒業生を裏切ることになると感じて。
「もしお気持ちが変わっても、その時は受け入れできないかもしれません」
社長さんのその言葉に言い知れぬ恐怖心を覚えながらも、動けませんでした。
後悔先に立たずとはよく言ったものです。
3年後、移籍を申し出た私に返ってきた言葉は「もう時は過ぎました」でした。
「チャンスの女神には、後ろ髪はないのですよ」とも諭されました。
私の夢は、長い学校改革の体験をもとに、全国の学校を支援することでした。
それまで教育界にはなかった手法を広め、教育界の元気を取り戻すことでした。
そのチャンスを永久に失ったのだと気付き、体が震え、気分が悪くなりました。
社長さんに夕食をご馳走になりながら、食欲なくほとんど残してしまうほど・・・・。
目先の義理や嫌われたくない恐怖心から、私は一生のチャンスを棒に振りました。
そんな私のせいで、救済できたはずの先生を見殺しにしてきたかもしれません。
当時もしキャリアカウンセラーと知り合っていれば、判断は違ったのではないか?
自分がキャリアカウンセラーとなった今、私はそう思わずにはいられません。
私は保護者の期待に応える自分の判断がまちがっていたとは思っていません。
でも、もっと大きなミッションの存在を知りながら逃げた自分が恥ずかしい。
こんな後悔や恥ずかしさは、他の誰にも絶対に味わってほしくありません。
将来計画が崩壊した経験を持つ私は、お客様には後悔してほしくないのです。
たった一度の判断ミスが、人生の歯車を破壊させることを知っているからです。
(続きはまた明日・・・・)
(クラス会にタクシーまで用意してくれた16年前の卒業生たちと)
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